私たちはまず、自分たちが持っている「健康」という幻想を捨て、「病気と闘う」のではなく、病気と「共存する」という考え方に立つことが大切である。 日本人は行き過ぎた清潔幻想にとらわれている。汚いものや臭いものにも慣れるべきなのだ。細菌や寄生虫とも共存することが必要になってきているのである。 アジアの伝統医学に共通して見られるのは、自然治癒力を増強させることである。古代人の骨を調べると、驚異的な自然治癒の痕が見られ、また、私たちの周辺でも動物の自然治癒をしばしば目にするではないか。いつの日から私たち人間は自然治癒の努力を忘れ、すべてを医学に頼るようになってしまったのであろうか。本来医療とは自然治癒力を助長することを目的としたものではなかったのか。 2007年6月
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